宇野浩二(こうじ)の短編小説。1933年(昭和8)1月『改造』に発表、翌年3月、白水社刊行の同名の小説集に収録。宇野の友人である洋画家鍋井克之(なべいかつゆき)から伝え聞いた大阪出身の洋画家小出楢重(こいでならしげ)の挿話を素材としたもので、古泉圭造(こいずみけいぞう)(小出)の内に潜む芸術家の鬼気迫るばかりのデーモンを鋭く描出した作品。画家の晩年、肉体が衰えるとともに、逆に画業が異様な冴(さ)えをみせるという、芸術の不思議な魔力が巧みにとらえられている。1927年の精神疾患以来沈黙していた宇野の再起を示す作品で、小林秀雄らに激賞され、宇野後期の重厚な作風の出発点となった記念碑的な作品。題名は、古泉の遺作の題名によっている。
[森本 穫]
『『日本文学全集30 宇野浩二集』(1973・集英社)』
血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...
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