種々の色に染めた紙のこと、またその技術をいう。日本ではすでに奈良時代に高度な発達を遂げ、正倉院には『色麻紙(いろまし)』19巻をはじめ多くのものが残存し、『正倉院文書』には約40種もの紙名がみられる。おもな染色方法には、〔1〕紙を漉(す)く前の紙料繊維に染料を混和する漉き染め、〔2〕成紙(せいし)を染浴(せんよく)(染料を溶いた液)に入れて染める浸(ひた)し染め、〔3〕刷毛(はけ)で塗る引き染め、〔4〕染料液を霧状に吹き付ける吹き染めなどがあり、媒染剤(染料が直接繊維に染着しない場合に使う結合剤)によって変化を出す方法も布の場合と同様である。上代では防虫と美観の目的から写経用紙がおもな用途であった。したがって伊勢(いせ)の斎宮(さいくう)の忌みことばでは「経典」を意味した。
[町田誠之]
…日本でも奈良時代には,写経所を中心に黄紙が大量に染められた。写経のほか詔勅など長く保存される文書に用いられ,伊勢の斎宮(いつきのみや)の忌詞(いみことば)で経典のことを〈染紙(そめがみ)〉というのも,経典が黄紙に書写されるのが多かったためであるという。経典に黄紙を用いる習慣は江戸時代まで行われた。…
※「染紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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