栂尾祥雲(読み)とがのおしょううん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「栂尾祥雲」の意味・わかりやすい解説

栂尾祥雲
とがのおしょううん
(1881―1953)

明治~昭和期の真言(しんごん)宗の僧。仏教学者。幼名は伊半太。香川県三豊(みとよ)郡吉津(よしづ)村(現、三豊市)宮本伝蔵の三男。1891年(明治24)仁尾(にお)村(現、三豊市)不動護国寺栂尾本元(ほんげん)について得度。栂尾家の養子となって籍、名を祥雲と改める。1910年(明治43)高野山(こうやさん)大学講師となり、1921年(大正10)密教研究のため欧州へ留学。1924年帰朝後、同大学教授となる。1945年(昭和20)高野山大学長に就任。1947年高野山密教研究所長となる。伝統的研究を踏まえて近代ヨーロッパの研究方法を取り入れ、密教研究に独自の新分野を開拓した。その成果(論文50点、単行本19冊)の主要なものは『栂尾祥雲全集』(6巻・別巻1)に収められている。

[池田英俊 2017年9月19日]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「栂尾祥雲」の解説

栂尾祥雲 とがのお-しょううん

1881-1953 大正-昭和時代の仏教学者。
明治14年9月30日生まれ。大正10年ヨーロッパ,インドへ留学。13年高野山大教授,昭和20年学長。サンスクリット,チベット語の密教原典を研究した。昭和28年5月27日死去。71歳。香川県出身。真言宗連合高等中学卒。旧姓は宮本。著作に「秘密仏教史」「曼荼羅(まんだら)の研究」など。

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