ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「栄養段階」の意味・わかりやすい解説
栄養段階
えいようだんかい
trophic level
それぞれの栄養段階の有機物の収支は次のように考えられる。生産者が単位面積あたり一定の時間内に光合成などによって生産する有機物の量は,総生産量という。生産者は光合成で有機物を生産すると同時に,呼吸によって有機物を消費する。そのため,総生産量から呼吸で消費される量(呼吸量)を差し引いたものが,純生産量となる。生産者である植物は,1次消費者に食べられたり,枯れたりしてその一部が失われる。一定時間内に,1次消費者に食べられる量「被食量」と,枯れて失われた量「枯死量」を,純生産量から差し引いた量が成長量となる。
消費者である動物は,下の栄養段階の生物を捕食する。しかし食べたものの一部は消化できず,外部に排出する。その量を不消化排出量といい,摂食量から不消化排出量を差し引いた量を消費者の同化量という。消費者の同化量は,生産者の総生産量にあたる。同化量から消費者の呼吸量を差し引いた量は,生産者の純生産量にあたる。消費者の成長量は,同化量から呼吸量,被食量,死滅量を差し引いた量になる。(→生産生態学)
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