デジタル大辞泉 「桜麻の」の意味・読み・例文・類語 さくらお‐の〔さくらを‐〕【桜▽麻の】 [枕]麻あさと苧おとが同義であるところから、麻のはえている所の意の「苧生をふ」にかかる。「―をふの下草やせたれど」〈古今六帖・五〉 さくらあさ‐の【桜麻の】 [枕]「桜麻」の実体は未詳。「をふ(苧生・麻生)」にかかる。「―苧生の浦波」〈新古今・雑上〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「桜麻の」の意味・読み・例文・類語 さくらあさ‐の【桜麻の】 枕① 麻と苧(お)とが同義であるところから、「おふ(苧生=麻の生えている所、麻畑)」にかかる。さくらおの。[初出の実例]「桜麻乃(さくらあさノ)苧原(をふ)の下草露しあれば明かしてい行け母は知るとも」(出典:万葉集(8C後)一一・二六八七)② 「苧生」と同音の地名「おふの浦」にかかる。[初出の実例]「さくらあさのをふのうら浪立ちかへり見れども飽かず山なしの花〈源俊頼〉」(出典:新古今和歌集(1205)雑上・一四七三)③ 桜麻を刈る意で、「刈る」と同音を持つ地名「かりふの原」にかかる。[初出の実例]「さくらあさのかりふのはらをけさ見れば外山かたかけ秋風ぞ吹く」(出典:曾丹集(11C初か))桜麻のの補助注記①の例は枕詞とは認めない説もある。また、「古今六帖」では「さくらをのをふのしたくさ」と見え、契沖以来、挙例の「万葉‐二六八七」なども「さくらをの」とよむ説も多い。「新古今」以後の勅撰集に、いくらかの用例を見るが、多くは、「さくらあさのをふのしたくさ」と続いている。実体不明のまま、歌語として受け継がれたものであろう。→さくらおの(桜麻━) さくらお‐のさくらを‥【桜麻の】 枕 麻(あさ)と苧(お)とが同意であるところから、「おふ(苧生=麻の生えているところ、麻畑の意)」にかかる。→「さくらあさの(桜麻━)」の補注。[初出の実例]「さくらをのをふの下草やせたれどたとふばかりもあらずわが身は」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by