椋梨村(読み)むくなしむら

日本歴史地名大系 「椋梨村」の解説

椋梨村
むくなしむら

[現在地名]大和町椋梨

大具おおぐ村の西に位置し、椋梨川流域の平坦地に展開する村。豊田郡に属した。椋梨川南岸の山腹岩神いわがみ古墳群がある。流域の低地部には条里制の遺構が認められ、「和名抄」の豊田郡椹梨むくなし郷にあたる。鎌倉初期に沼田ぬた庄に来住した小早川氏は、茂平の時代に在地領主として成長した。当地は沼田新庄方の中心で、椋梨小早川氏(椋梨氏)居城があった。椋梨氏はほり城を拠点に椋梨川およびその支流域大草おおぐさ和木わきなどに一族を配置して一分地頭とし、新庄方の結束を固めていった。椋梨川流域は交通の要所で、堀城付近には市場も開かれていたが、椋梨川下流の沼田川本流は本庄方惣領家が押えており、経済活動には比較的不利であった。椋梨氏は代々新庄方の庶子家を率いて合戦に参加し、小早川氏一族のなかでも沼田惣領家に次いで重きをなしていた。

仁治四年(一二四三)二月日付の安芸沼田新庄方正検注目録写(小早川家文書)椋梨子むくなし村とあり、田数三九町九反一二〇歩のうち除田一二町九反一八〇歩・定田二六町九反三〇〇歩(うち佃四反三〇歩・官物田二六町五反大三〇歩)、所当米五二石七斗七升三合、斗代は一斗五升代の田が一一町五反二四〇歩で最も多い。


椋梨村
むくなしむら

[現在地名]上県町佐護西里さごにしさと 椋梨

友谷ともや村の南西にある同村枝郷。「津島紀略」に佐護七ヵ村の一つとして無久奈志と訓じる。元禄一六年(一七〇三)対州郷村帳では友谷村枝村として椋梨が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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