楔を打ち込む(読み)クサビヲウチコム

デジタル大辞泉 「楔を打ち込む」の意味・読み・例文・類語

くさび・む

敵陣の中に攻め込んで、その勢力二分する。また、他の勢力範囲の中に地盤を築く。「一社独占の市場に―・む」
親しい間柄に邪魔を入れる。
互い愛情少し間隙すきやがては―・んで」〈露伴・いさなとり〉
[補説]この意味で「楔を打つ」とするのは誤り。
[類語]先を越す先手を打つ機先を制する出鼻をくじ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「楔を打ち込む」の意味・読み・例文・類語

くさび【楔】 を 打(う)ち込(こ)

① 楔①をたたいて入れこむ。
※狐の裁判(1884)〈井上勤訳〉二「彼の大工は之を裂きて裂目一箇の橛(クサビ)を打ち込み」
② (比喩的に) 敵陣に攻め込み、これを二分する。また、相手方自ら立場や勢力を強引に押し入れる。
壁紙を貼る女(1970)〈大原富枝〉「女は彼が楔を打ちこもうとする手がかりになることは何一つしゃべろうとしない」
③ (比喩的に) 仲を裂こうとして間に邪魔を入れる。
※いさなとり(1891)〈幸田露伴二五悪魔は斯る感情に付け入り互の愛情の少しの間隙に頓(やが)ては橛(クサビ)を打ち込むで底の底まで割くとも知らず」

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