楫枕(読み)かじまくら

精選版 日本国語大辞典 「楫枕」の意味・読み・例文・類語

かじ‐まくらかぢ‥【楫枕】

  1. 〘 名詞 〙 ( 楫を枕として寝る意から ) 船中で寝ること。船の旅。なみまくら。
    1. [初出の実例]「おほしまやとわたる舟のかちまくらおつるしづくにぬれつつぞゆく」(出典:高遠集(1011‐13))

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改訂新版 世界大百科事典 「楫枕」の意味・わかりやすい解説

楫枕 (かじまくら)

地歌箏曲の曲名三弦菊岡検校,箏は八重崎検校作曲京風手事物文政・天保期の作。作詞は橘遅日庵で,遊女のはかない身の上を,寄る辺のない船の旅寝にたとえ,思う人の手でつなぎとめてほしいと歌っている。手事は二段あり,いずれも箏組歌と同じ128拍で,同時に演奏する〈段合せ〉ができる。三弦は本調子で,後歌から二上り。箏は半雲井調子から平調子となる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「楫枕」の意味・わかりやすい解説

楫枕
かじまくら

地歌箏曲の曲名。菊岡検校が三弦を作曲,八重崎検校が箏を作曲した京風手事物の代表曲の一つ。橘遅日庵作詞。手事部は2段あって,「段返し」としても演奏され,2段目のリズム半分の細かさとなっている。曲題は船中の旅寝を意味し,遊女の心情主題としたもの。

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