業務核都市(読み)ぎょうむかくとし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「業務核都市」の意味・わかりやすい解説

業務核都市
ぎょうむかくとし

東京都心部への行政、経済、文化の一極集中を是正するため、業務、商業、文化施設などを集中的に整備する都心周辺の核都市。千葉市が1991年(平成3)に業務核都市の第一号に指定されたのをはじめ、横浜、浦和大宮(現さいたま)、つくば立川八王子厚木成田などが指定をうけた。千葉市は、幕張新都心地区に国際コンベンション施設「幕張メッセ」や先端産業の研究所などを集積する「幕張テクノガーデン」を設置。横浜市は1993年7月、みなとみらい21地区に日本一の高層ビル横浜ランドマークタワー」(高さ296メートル)を完成させるなど、急激に施設や交通網の整備が進められ、2004年2月には横浜高速鉄道みなとみらい21線(横浜―元町・中華街)が開通した。さいたま市は旧国鉄大宮操車場跡地を中心に、1991年さいたま新都心の開発が始まり、1999年「さいたまスーパーアリーナ」が完成、2000年には「JRさいたま新都心駅」が開設された。1988年(昭和63)に制定された多極分散型国土形成促進法では、業務核都市の整備に対し税制、金融面などの助成措置も講じられている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「業務核都市」の意味・わかりやすい解説

業務核都市
ぎょうむかくとし
functional core cities

東京都の区部に集中している業務機能を分担する都市。 1985年に国土庁が打ち出した首都改造計画の目玉となる構想で,東京都一極集中の是正を目的としている。立川・八王子,横浜・川崎,さいたま (大宮・浦和) ,土浦・つくば,千葉の5都市群が対象地域で,業務機能と職住近接機能を兼備した業務核都市として整備していくことになっている。現実に千葉の幕張新都心,横浜のみなとみらい 21,さいたま (大宮) のソニックシティなどのビッグプロジェクトが遂行された。

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