構造湖(読み)コウゾウコ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「構造湖」の意味・わかりやすい解説

構造湖
こうぞうこ

断層や褶曲(しゅうきょく)、曲降(地盤が緩やかに下にたわむ変動)などのように、大規模に地層を変位させる造陸運動(構造運動)によって湖盆が形成された湖。一般に、湖の成因にはこのほか、火山活動、堆積(たいせき)作用などがあるが、構造湖の例には、面積が大きく深度の大きい湖が多い。断層によるもの(琵琶湖(びわこ)、諏訪湖(すわこ)、バイカル湖、死海、タンガニーカ湖)、造陸運動によるもの(カスピ海アラル海)、曲降によるもの(ビクトリア湖チチカカ湖)などに大別される。

[森 和紀]

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百科事典マイペディア 「構造湖」の意味・わかりやすい解説

構造湖【こうぞうこ】

地殻の変動によって生じた湖。バイカル湖,アフリカ大地溝の湖,諏訪湖などのように断層地溝に生まれた断層湖,日本に多いカルデラ湖(以上の両者陥没湖),そのほか褶曲(しゅうきょく)や曲隆によるくぼみに生じた比較的大きな湖などが含まれる。断層湖は一般に湖岸が直線的で急傾斜し深い。

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世界大百科事典(旧版)内の構造湖の言及

【湖沼】より

…乾燥地域の湖では年変化が大きく,表面積の値にあまり意味はない。最大深度も平水位で示し,世界最深の湖はバイカル湖(1620m)で,世界の深湖は構造性の湖(構造湖)が多い。日本では田沢湖(423.4m)がいちばん深い。…

※「構造湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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