チチカカ湖(読み)チチカカこ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チチカカ湖」の意味・わかりやすい解説

チチカカ湖
チチカカこ
Lago Titicaca

南アメリカ,アンデス山脈中部,アルティプラノ高原北部にある大湖で,ペルーボリビア両国にまたがって位置する。大型船が航行できる湖としては世界で最も高いところにあり,湖面標高 3812m。北西-南東方向に約 200kmにわたって延び,最大幅約 80km。周囲 1125km。面積 8372km2。ティキナ水道によって2つの部分に分けられ,北西の大きいほうはチュクイト湖,南東の小さいほうはウイニャイマルカ湖と呼ばれる。平均水深 107m,ボリビア側沿岸に向って次第に深くなり,最大水深は 281m。北端部に注ぐラミス川をはじめ 25以上の川が流入。南端部からデサグアデロ川が流出して約 300km南東にあるポーポ湖に注ぐが,同川による湖水の損失は5%にすぎず,大部分蒸発によって失う。平均水温は表層部で 14℃,湖底で 11℃。湖中には約 40の島があり,多数の住民がいる島もある。最大の島はチチカカ島。この地域は古くからインディオの文明が発達した地で,南岸近くのティアワナコをはじめ沿岸各地や湖中の島に紀元前にさかのぼる遺跡があり,多数の考古学的資料が出土している。チチカカ島は「太陽の島」とも呼ばれ,インカ帝国始祖伝説で知られる。現在この地域に住むアイマラ諸族は先インカ期以来の住民で,古くからの生活様式や言語を保ち,古来の農耕法でオオムギ,キノア (アカザの1種) ,ジャガイモなどを栽培。湖上では,湖岸近くに叢生するトトラと呼ばれるアシに似た草でつくった浮島に住んでいる民族もあり,トトラで造った草舟は漁業や湖上交通に広く用いられている。沿岸の主要港である北西岸のプノ (ペルー) と南端岸のグアキ (ボリビア) の間に定期航路が開かれている。近年ペルー側湖岸でボーキサイト鉱床が発見された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チチカカ湖」の意味・わかりやすい解説

チチカカ湖
ちちかかこ

ティティカカ湖

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android