東アフリカ,アフリカ大地溝帯中の大湖。長さ約660km,最大幅70km,面積約3万3000km2(世界7位。ビクトリア湖に次いでアフリカ2位)。湖面標高772m(最近100年間に12~13mの水位変動を記録),最大深度1470m(バイカル湖に次いで世界2位)。4ヵ国が国境を接し,東岸の大部分はタンザニア,北東端部はブルンジ,西岸はコンゴ民主共和国(旧,ザイール),南端部はザンビアに属する。湖岸平野の発達はきわめて悪く,流入河川は東岸のマラガラシ川,北岸のルジジ川などに限られる。流出河川は西岸中部のルクガ川で,コンゴ川水系に属する。湖水の垂直方向の循環がきわめて弱いため,典型的な貧栄養湖である。動物相では400を超える種のうち約300種が固有種である点が特異で,湖誕生の古いことを物語っている。湖岸の港ではタンザニアのキゴマとコンゴ民主共和国のカレミエが重要で,両者を結ぶ定期航路は大陸横断の幹線ルートの一部である。1858年R.バートンとJ.スピークがヨーロッパ人として初めて湖岸に到達。
執筆者:戸谷 洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
アフリカ南東部、西リフトバレー(大地溝帯)中央部にある断層湖。南北約700キロメートル、東西最大約80キロメートル、面積約3万3000平方キロメートルで、ビクトリア湖に次ぐアフリカ第二の湖。湖面の標高は現在772メートル前後であるが、最近約100年間で最大15メートル程度の変動が観測された。最大深度は1471メートルに達し、バイカル湖に次いで世界第二の深い湖である。西から流出するルクガ川が唯一の流出河川で、コンゴ川(ザイール川)に注ぐ。東岸の大部分がタンザニア、北部がブルンジ、西岸の大部分がコンゴ民主共和国(旧ザイール)、南端はザンビアの四か国にまたがる国際湖で、タンザニアのキゴマとコンゴ民主共和国のカレミーを結ぶ航路など、沿岸各国間の定期航路がある。湖水にすむ約400種の生物の約4分の3が固有種であることは、湖の誕生が古いことを物語る。1858年、イギリスのR・バートンとJ・スピークがヨーロッパ人として初めて湖岸に達した。
[田村俊和]
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