槐市(読み)かいし

精選版 日本国語大辞典 「槐市」の意味・読み・例文・類語

かい‐しクヮイ‥【槐市】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「槐」はえんじゅの木 ) 漢代、長安城外の槐(えんじゅ)並木の中で開かれたという私設市場大学諸生がここに集まり、出身地名産などの売買や、政治論議をしたといわれる。転じて、大学の異称として用いられる。
    1. [初出の実例]「昔槐市共蛍雪、斉声価者、或昇青雲之路、或駕朱輪之車」(出典本朝文粋(1060頃)六・申大内記木工頭并淡路守状〈藤原篤茂〉)
    2. [その他の文献]〔梁元帝‐皇太子講学碑〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「槐市」の読み・字形・画数・意味

【槐市】かい(くわい)し

漢代、長安の読書人の市。〔三輔黄図〕常滿倉の北を槐市と爲す。槐樹數百行を列してと爲し、牆屋無し。~に此の市に會し、各其の郡の出だす物、び經傳書記~を持して、相ひ與(とも)に買賣す。雍容揖讓し、或いは樹下に論議す。

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