(読み)エンジュ

デジタル大辞泉 「槐」の意味・読み・例文・類語

えんじゅ〔ゑんじゆ〕【×槐】

マメ科の落葉高木。葉は羽状複葉で、小葉は長卵形。夏に、黄白色の小花が群生して咲き、くびれたさやのある実がなる。中国原産庭木街路樹とし、木材建築器具などに用いる。花・実は薬用。きふじ玉樹槐樹かいじゅ 花=夏》「葉がくれの星に風湧く―かな/久女

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精選版 日本国語大辞典 「槐」の意味・読み・例文・類語

えんじゅゑんじゅ【槐】

  1. 〘 名詞 〙 マメ科の落葉高木。中国原産で、街路樹や庭木として植える。高さ一〇~二五メートル。夏、黄白色の小さな花が穂状に集まって咲き、数珠状のさやを花後につける。花を乾燥させた槐花(かいか)は煎じて止血薬、材は建築や器具製作に利用する。えにす。きふじ。かいじゅ。えんじ。しなえんじゅ。えんず。くぜまめ。

▼えんじゅの花《 季語・夏 》

  1. [初出の実例]「庭の前に有る槐を」(出典:今昔物語集(1120頃か)七)

えにすゑにす【槐】

  1. 〘 名詞 〙 植物えんじゅ(槐)」の古名。《 季語・夏 》 〔十巻本和名抄(934頃)〕

槐の補助注記

牧野富太郎は、古く「エニス」と呼んでいたものは、中国から渡来した「エンジュ」ではなく、日本に自生していた「イヌエンジュ」のことであろうとしている。


えんずゑんず【槐】

  1. 〘 名詞 〙えんじゅ(槐)色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「宮のえんす秋は落つるごとに」(出典:高倉院升遐記(1182))

かいクヮイ【槐】

  1. 〘 名詞 〙 植物「えんじゅ(槐)」の漢名。〔和漢三才図会(1712)〕

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普及版 字通 「槐」の読み・字形・画数・意味


14画

[字音] カイ(クヮイ)
[字訓] えんじゅ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は鬼(き)。鬼に魁(かい)の声がある。〔説文六上に「槐木なり」とあり、えんじゅの木。古く三公のつく宮廷の位置に植え、その下で訟を聴いたという。

[訓義]
1. えんじゅ。
2. にわとこ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕槐 宮槐、加太久祢(かたくみ) 〔名義抄〕槐 ヱニスノキ・カラタチ 〔字鏡集〕槐 エンス・カツラ・エンスノキ・カラタチ

[熟語]
槐位・槐陰・槐影・槐掖・槐火・槐花・槐衙・槐嶽・槐館・槐棘・槐・槐黄・槐座・槐宰・槐市・槐樹・槐秋・槐序・槐省・槐色・槐庁・槐庭・槐鼎・槐門・槐路
[下接語]
槐・古槐・高槐・三槐・楸槐・桑槐・庭槐・緑槐・老槐

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動植物名よみかた辞典 普及版 「槐」の解説

槐 (エンジュ・エンジ;エンズ)

学名:Sophora japonica
植物。マメ科の落葉高木,薬用植物

槐 (エニス・エニスノキ)

植物。マメ科の落葉高木。イヌエンジュの別称

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