航空機の中で供される食事。航空機が長距離を飛行するようになり、機内での食事が必要になったことから生まれた。日本では、1951年(昭和26)11月に日本航空が発足し、札幌、東京、大阪、福岡間の航空路が復活したときに、サンドイッチを積み込んだのが最初である。諸外国でも航空機が大型化した50年代すこし前あたりから、本格的に機内食がつくられたようである。機内食の内容は、初期のころは軽食程度であったが、競合する国際線間や、アメリカなど国内線でも競争の激しい所では、くふうが凝らされた。しかし、競争があまりにも激しくなり、収拾がつかなくなった近年では、航空会社間の協定で、路線ごとに一定の料理の種類と金額などを規制している場合が多いようである。
機内食は、地上にある機内食工場でほぼ完全に仕上げ、食器に盛り、トレイに組み込んで航空機内のキッチンに収納する。ビーフステーキ、シチューなど加熱を要するものは、機内の電源に接続して使用できるヒーター付きの収納ケースに食器ごと入れて積み込まれる。反対に、冷却を要するものは、機内の冷却収納ケースに納められる。したがって、乗客に供される機内食は、つくりたての感じのあるものが出される。以上のことから機内への積み込みは、できるだけ出発直前に行われる。なお、長時間の飛行の場合は、乗務員に対しての機内食も必要で、これは乗客とは別に調製されている。
機内食の種類は多様で、各国・各地方の特色を生かしたものが多く、国際線や長距離の国内線では、食事のほか飲み物、酒類なども供される。
[河野友美・山口米子]
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