1814年、ナポレオンの没落に伴う戦後処理問題に関してタレーランらによって唱えられ、メッテルニヒによってウィーン体制の原則として取り入れられた理念。フランス革命とナポレオンの諸事業のみならず、解放戦争の諸成果をも否定してアンシャン・レジーム(旧制度)へ復帰すること、各国の主権を旧来の主権者の手に戻すことを主張し、その結果フランスとスペインにはブルボン王朝が再建され、ドイツ諸国でも王政復古が行われた。ドイツ連邦成立にみられるように完全な意味での旧制度への復帰は不可能ではあったが、勢力均衡と並んでウィーン体制を支える原理となり、各国で発展した自由主義、ナショナリズム運動抑圧の理念的根拠となった。
[岡崎勝世]
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復古主義ともいう。フランス革命とナポレオン戦争が,ヨーロッパに与えた影響を払拭して,革命以前の正統王朝の復位と,アンシャン・レジームの復活をめざす理念。勢力均衡と並んでウィーン体制の基調をなし,やがて各国の自由主義と国民主義の運動によって破綻した。
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