正道党(読み)せいどうとう(英語表記)Doǧru Yol Partisi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正道党」の意味・わかりやすい解説

正道党
せいどうとう
Doǧru Yol Partisi

略称 DYP。トルコ政党。 1980年に起った無血クーデターで政権を握った軍部によって活動を禁止された正義党が,83年の民政移管総選挙に際し党名を改称して再結成した政党。 83年総選挙では政党資格は与えられなかったが,続く 87年 11月の総選挙では 57議席を獲得。 91年 10月総選挙で 450議席中 178議席を取得して第1党となり,憲法の規定に従い,S.デミレル党首が首相に任命されて,第3党の社会民主人民党と連立政権を樹立した。 93年オザル大統領死去によりデミレルが大統領に選出され,代って T.チルレル国務相が党首となり,初の女性首相が誕生した。引続き,社会民主人民党との連立政権を組んだが,95年9月に連立政権は崩壊。同年 12月の総選挙では 135議席にとどまり福祉党に次ぐ第2党に転落。しかし,福祉党の連立工作は難航し,正道党との連立が成立したのは翌 96年6月のことで,福祉党党首のネジメティン・エルバカンを首班とする内閣が発足した。しかし,イスラム原理主義を掲げる福祉党の政策政教分離を定めたトルコの原則に反するとの批判を受けてエルバカン首相は 97年6月に辞任,連立は崩壊した。

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