毛管現象(読み)もうかんげんしょう(英語表記)capillarity; capillary phenomenon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

毛管現象
もうかんげんしょう
capillarity; capillary phenomenon

毛細管現象ともいう。液体中に細い管 (毛管または毛細管という) を入れると,液の種類によって,管内液面が外部の自由表面より上または下に移動する現象。液体が管を濡らす (付着力が大きく,接触角が 90゜より小さい) ときには液面が上がり,濡らさない (接触角が 90゜より大きい) ときには液面が下がる。管内の液面は曲面となる。管の内外の液面の高さの差を h ,管の内径を r ,液体の密度を ρ ,液体の表面張力T ,管と液体の接触角を θ とすれば,h=2T cos θ/ρgr となる。すなわち,液体と管を決めると,液面の昇降する高さは,管の内径に反比例する。吸取り紙は毛管現象を応用したものであり,植物の茎が水分を吸上げるのもこの現象に基づく。ただし,1回の毛管現象で,土中の水が高い木の先まで送られるわけではない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

もうかん‐げんしょう〔モウクワンゲンシヤウ〕【毛管現象】

液体中に細い管を立てると、管内の液面が管外よりも高くなるか低くなる現象。液体の表面張力によって生じ、水のように管壁をぬらす場合には上昇する。吸い取り紙などにみられる。毛細管現象

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

毛管現象【もうかんげんしょう】

毛細管現象とも。液体中に細い管(毛細管)を立てると,管内の液面が管外の液面より上がるかまたは下がる現象。液体の密度をρ,重力加速度をg,表面張力をT,管の半径をr,管の材料と液体との接触角をαとすると,管内の液柱の高さは2T cos α/(rρg)となる。つまりαが直角より小さい(ぬれる)液体(たとえばガラスに対する水)では管内の液面は上がり,αが直角より大きい液体(ガラスに対する水銀)では液面が下がる。管が細いほど上下が大きい。管でなく2枚の板を平行して立てたときも同様に液面が上下する。ランプのしんや吸取紙は細隙による毛管現象の応用。
→関連項目液体

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

法則の辞典の解説

毛管現象【capillary phenomena】

液体中に毛管を挿入したとき,液体が壁面をぬらす場合には液面の上昇が,ぬらさない場合には下降が認められる現象.上昇・下降の度合は,毛管圧の式*で示される.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

もうかんげんしょう【毛管現象 capillarity】

毛細管現象ともいう。液中に立てた細い管(毛細管)の中や,2枚の板の細隙の間の液体の高さと,外側の液体の高さとが食い違う現象。その原因は管の壁面を液体がぬらすかぬらさないかによって接触角が鋭角または鈍角になり,液面が上に凹あるいは凸になることにある。このとき表面張力によって管内の液中の圧力が外圧より小あるいは大となって,液体がそれに見合うだけ引き上げられる,あるいは引き下げられるのである。 いま図に示したように細管が半径aの円管で接触角がθであるとする。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

もうかんげんしょう【毛管現象】

液体中に細い管を立てるとき、管内の液面が管外の自由表面よりも高く、または低くなる現象。毛細管現象。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

毛管現象
もうかんげんしょう

細い管を液体の中に立てると、液体が管内を上昇して外部の液面より高くなったり、あるいは下降して低くなったりする現象。毛細管現象ともいう。この現象を最初に観察した(1490)のはレオナルド・ダ・ビンチといわれている。もっともよく知られているのは、ガラスの毛管を水中に立てたとき、水が毛管を上昇する場合である。布の一端を水に浸すと水が布を伝わって上昇するなど、実際の生活に関連した例も多い。
 毛管現象は液体の表面張力によって生ずるもので、管壁をつくる固体との間の接触角が90度より小さく、管壁をぬらす場合には、液体は管内を上昇し、90度より大きく、管壁をぬらさない場合は下降する。毛管内の面は曲面になり、これをメニスカスとよんでいる。液面が上昇または下降するのは、このメニスカスに沿って作用する表面張力のためである。のように、半径Rの管を上昇する高さhは、表面張力をγ、接触角をθ、重力加速度を、液体の密度をρとすると、
  h=2γcosθ/ρR
になる。水がガラス管を上昇する場合などはθはゼロとしてもよい。下降する場合も同様である。この式では、Rhに比べ十分小さいとしている。この関係は、表面張力の値を測定するのに用いる。[小野 周]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

チェブラーシカ

エドゥアールト・ウスペンスキーによるロシアの児童書「わにのゲーナ」(1967年発表)、また同作品を原作とする、人形アニメーション映画「チェブラーシカ」(1969~83年、ロマン・カチャーノフ監督)から...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

毛管現象の関連情報