液滴を水平な固体表面の上に置くと、一定のレンズ形を保った滴になる場合がある。液体の表面は曲面になるが、その端では、 に示すように、固体表面と液体の表面とは一定の角度をなす。この角度を のように液体の内側で測ったものを接触角という。接触角θは一般に、液体と固体の種類によって決まるが、θが90度より大きいときには、液体は固体表面をぬらさないといい、小さいときにはぬらすという。 に示すように、液体の表面張力をγL、固体の表面張力をγSとし、液体と固体の間の界面張力をγSLとすると、C点における力のつり合いの条件から、ヤングの方程式
γSL-γS+γLcosθ=0
が得られる。この式からもわかるが、
γS>γSL+γL
であると、接触角は存在せず、液体は一定の形をとらず、固体表面を限りなく広がり、完全にぬらしてしまう。
[小野 周]
液体の自由表面がその接触する固体表面となす角。ふつう静止液体の場合をいう。液体-固体,固体-気体,気体-液体の界面での表面張力をそれぞれTls,Tsg,Tlgとすれば,その間のつり合いから静止時の接触角θはcosθ=(Tsg-Tls)/Tlgの関係を満足する。TlsがTsgに比べて小さいとθは鋭角で液体は固体をぬらし(ぬれという),逆に大きいとθは鈍角で液体は固体からはじかれることになる。接触角の値は,水とガラスの場合は8~9度と小さいが,水銀とガラスでは140度程度となる。
執筆者:橋本 英典
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…この式から cosθ=(νS-νSL)/νLの関係が得られる。このθのことを接触角contact angleあるいはぬれ角と呼ぶ。完全なぬれはθ=0に相当する。…
… 物質はその表面の性質によって,水に対する濡れやすさに差異がある。水に濡れやすい性質を親水性,濡れにくい性質を疎水性と呼び,そのおおよその度合は接触角によって測定することができる。平らな固体表面の接触角を測定するには,その上に液滴をおき,その広がり具合をみればよい。…
※「接触角」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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