水硬性(読み)スイコウセイ(その他表記)hydralic property

デジタル大辞泉 「水硬性」の意味・読み・例文・類語

すいこう‐せい〔スイカウ‐〕【水硬性】

セメント類などで、水との化学反応硬化がすすむ性質。硬化後も水中では強度が低下しない。ポルトランドセメントアルミナセメントなどが知られる。→気硬性

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精選版 日本国語大辞典 「水硬性」の意味・読み・例文・類語

すいこう‐せいスイカウ‥【水硬性】

  1. 〘 名詞 〙 石灰やセメントなど、水と混ぜておくと水和が起こって硬くなる性質。水とセメントが結合して硬化することで、これに対し乾燥によって固まる性質を気硬性という。

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改訂新版 世界大百科事典 「水硬性」の意味・わかりやすい解説

水硬性 (すいこうせい)
hydralic property

ポルトランドセメントのように,水和反応により凝結して強度が得られ,その後水中に置いても強度が低下しない性質をいう。これに対してセッコウのように,強度発現の原因は水和反応によるものであっても,大量の水の存在下では強度が著しく低下する性質を気硬性という。水硬性と気硬性の差の生ずる原因は水和凝結の機構の差による。すなわち水和生成物の溶解度が水硬性物質ではきわめて小さく,一度水和凝固すると二度とは溶け出さないのに対し,気硬性物質では溶解度が大きく水中へ容易に溶け出してしまうため粒子と粒子の結合が破れてしまう。両者の場合とも,水和する前の物質は比較的溶解度が大きい。これに対し急冷高炉スラグのように,水和生成物の溶解度は小さいので水硬性といってもよいが,水和する前の溶解度も小さいため水和が進行しない物質もある。この場合には,水に溶けやすくするため,水和前の物質に石灰などの活性化剤を添加すると水和が進むようになる。これを潜在水硬性と呼ぶ。
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百科事典マイペディア 「水硬性」の意味・わかりやすい解説

水硬性【すいこうせい】

セメントにみられるような,水との反応により硬化して強度をもつようになり,その後水中に置いても強度が低下しない性質。無水塩鉱物が水の存在のもとに,より安定で溶解度のきわめて小さい水和物に変化することによる。各種カルシウム塩鉱物に多くみられる。これに対しセッコウのように大量の水の存在下では強度が著しく低下する性質を気硬性という。
→関連項目ポゾラン

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