アルミナセメント

デジタル大辞泉 「アルミナセメント」の意味・読み・例文・類語

アルミナ‐セメント(alumina cement)

アルミナ石灰石を焼成して作ったセメント主成分はアルミン酸カルシウム。短時間硬化し、耐食性にもすぐれる。

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精選版 日本国語大辞典 「アルミナセメント」の意味・読み・例文・類語

アルミナ‐セメント

  1. 〘 名詞 〙 ( セメントは[英語] cement ) 酸化アルミニウム酸化カルシウム成分とするセメント。短時間で硬化し、強度高く、耐食性がある。溶解セメント。

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化学辞典 第2版 「アルミナセメント」の解説

アルミナセメント
アルミナセメント
aluminous cement, high alumina cement, fused cement

溶融セメントともいう.CaO,Al2O3を主成分とした水硬性セメント.構築用と耐熱材用のほぼ2種類に分類される.構築用のセメントはCaO・Al2O3がおもな鉱物であり,少量の12CaO・7Al2O3その他を含む.耐火用セメントはAl2O3の量を増やし耐火度を上げ,高温用としてはAl2O370~80% でFe2O3,SiO2含有量の少ないものがある.製造法としては溶融法が一般的であるが,最近は焼成法も行われている.アルミナセメントは製造コストが高く高価であるが,早強ポルトランドセメントよりはるかに早く硬化するため,急を要する鉄道,道路,空港,ガス,水道下水などの工事に多く用いられ,また,発熱量が多いため寒中の作業に適し,南極などでも利用されている.低温度でむしろすみやかに硬化し,高温(25 ℃ 以上)では硬化が遅れ強度も低下する.化学抵抗性がすぐれているので化学工場などでしばしば用いられる.また,硬化体は過熱されると強度は低下するが比較的安定で,耐火度の低下も少なく,摩耗,熱衝撃に強いので骨材とともに造形耐火物としても用いられ,築炉と補修省力化にも役立っている.

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百科事典マイペディア 「アルミナセメント」の意味・わかりやすい解説

アルミナセメント

アルミン酸カルシウムを主体としたセメント。早強セメントの一つ。主成分はAl2O335〜43%,CaO36〜42%,SiO25〜10%,Fe2O35〜15%。生石灰と白色ボーキサイトを1500〜1600℃で溶融または焼成し,急冷後微粉砕して得られる。硬化速度が速いため緊急工事用に,また流し込み施工耐火物用の耐熱セメントとして使用。1日強度はポルトランドセメントの28日に相当するがその後の強度増大はさして大きくないため,養生によっては長期強度の低下もある。
→関連項目セメント不定形耐火物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルミナセメント」の意味・わかりやすい解説

アルミナセメント
aluminous cement

溶融セメント,礬土 (ばんど) セメント,石灰アルミナセメントともいう。石灰石とボーキサイト,または礬土,頁岩 (けつがん) などを混合,粉砕して製造したセメント。普通のセメントに比べると早期に強度が得られ,急を要する工事に用いられる。1日強度は普通ポルトランドセメントの 28日に相当する強度を発現するが,その後の強度の増進はわずかであり,養生条件などによって長期強度が低下するようなこともある。 1000℃以上の高温に耐えるなどの特色をもつが,値段が高いので,一般的な用途には向かず,早期強度を必要とする場合や耐火用など特殊な用途にあてられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルミナセメント」の意味・わかりやすい解説

アルミナセメント
あるみなせめんと
alumina cement

アルミン酸カルシウムを主成分とした特殊セメント。必要強度が1日で得られること、化学抵抗性および耐火性に優れていることなどの特長をもち、緊急工事用または耐火物用として用いられる。高温時に水と練り混ぜると、いったん上昇した強度が時間とともに低下する現象(転化)をおこすこと、また、ポルトランドセメントと混合して用いると急激に固まる(急結)ことなどに注意しなければならない。

[西岡思郎]

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世界大百科事典(旧版)内のアルミナセメントの言及

【セメント】より

…また練る水が少なくてよいことから,乾燥収縮や発熱量が小さく,長期強度が大きい特徴もある。 特殊なセメントとしては,まずアルミナセメントをあげることができる。この組成はAl2O3≌40%,CaO≌40%,Fe2O3≌15%であり,水和母体となる鉱物は,アルミン酸カルシウムである。…

※「アルミナセメント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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