溶融セメントともいう.CaO,Al2O3を主成分とした水硬性セメント.構築用と耐熱材用のほぼ2種類に分類される.構築用のセメントはCaO・Al2O3がおもな鉱物であり,少量の12CaO・7Al2O3その他を含む.耐火用セメントはAl2O3の量を増やし耐火度を上げ,高温用としてはAl2O370~80% でFe2O3,SiO2含有量の少ないものがある.製造法としては溶融法が一般的であるが,最近は焼成法も行われている.アルミナセメントは製造コストが高く高価であるが,早強ポルトランドセメントよりはるかに早く硬化するため,急を要する鉄道,道路,空港,ガス,水道,下水などの工事に多く用いられ,また,発熱量が多いため寒中の作業に適し,南極などでも利用されている.低温度でむしろすみやかに硬化し,高温(25 ℃ 以上)では硬化が遅れ強度も低下する.化学抵抗性がすぐれているので化学工場などでしばしば用いられる.また,硬化体は過熱されると強度は低下するが比較的安定で,耐火度の低下も少なく,摩耗,熱衝撃に強いので骨材とともに造形耐火物としても用いられ,築炉と補修の省力化にも役立っている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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アルミン酸カルシウムを主成分とした特殊セメント。必要強度が1日で得られること、化学抵抗性および耐火性に優れていることなどの特長をもち、緊急工事用または耐火物用として用いられる。高温時に水と練り混ぜると、いったん上昇した強度が時間とともに低下する現象(転化)をおこすこと、また、ポルトランドセメントと混合して用いると急激に固まる(急結)ことなどに注意しなければならない。
[西岡思郎]
…また練る水が少なくてよいことから,乾燥収縮や発熱量が小さく,長期強度が大きい特徴もある。 特殊なセメントとしては,まずアルミナセメントをあげることができる。この組成はAl2O3≌40%,CaO≌40%,Fe2O3≌15%であり,水和母体となる鉱物は,アルミン酸カルシウムである。…
※「アルミナセメント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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