蒸気ボイラーの一種。伝熱面が水管だけからなるもので、イギリスのバブコックボイラー、国産のタクマ式ボイラーが有名である。その構造は多数の管と数個の円筒からできていて、内部を適当な速度で流れる水を熱ガスによって外部から熱すると、蒸発して水蒸気をつくる。圧力の高い蒸気を多量につくることができ、効率も高い。また大容量、中容量だけでなく、小容量のボイラーにも適している。構造が複雑であるのと、細い管であるため掃除するのが容易でない欠点がある。このため気泡が停滞しないように注意するとともに、不純物の少ない良質の水を使用しなければならない。火力発電所をはじめあらゆる用途に使用されている。
[中山秀太郎]
…再生方式では復水器で蒸気が凝縮する際に循環水に奪われる熱を抽気の分だけ減少させることができ,サイクル効率を高める効果がある。
[ボイラー]
発電用ボイラーには火炉の周囲に水管を配したいわゆる水管ボイラーが広く用いられる。ボイラーの給水はこの水管内を上昇しながら加熱され蒸気になる。…
…その後ボイラーは漸次改良されて,19世紀初頭には,後述の丸ボイラーのおもな形式が出そろうようになり,この形式のボイラーはその後本質的な変化なく今日に至っている。一方,水管ボイラーについては,その最初の試みは18世紀末にさかのぼるが,水循環が確実で実用に耐えるものは19世紀中葉に至って実現された。19世紀末には,圧力は14気圧,蒸発量は11t/h程度に達し,蒸気温度は過熱器の採用によって300℃程度に上昇した。…
※「水管ボイラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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