水銀軟膏(読み)スイギンナンコウ(その他表記)mercurial ointment

精選版 日本国語大辞典 「水銀軟膏」の意味・読み・例文・類語

すいぎん‐なんこう‥ナンカウ【水銀軟膏】

  1. 〘 名詞 〙 水銀に豚脂、牛脂、脱水ラノリンなどを混合した灰白色の軟膏。梅毒の治療、慢性腺腫脹、ケジラミの駆除薬として用いられた。〔扶氏経験遺訓(1842)〕
    1. [初出の実例]「バンドのバックルをいつも水銀軟膏で磨きたてている」(出典:青い月曜日(1965‐67)〈開高健〉一)

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改訂新版 世界大百科事典 「水銀軟膏」の意味・わかりやすい解説

水銀軟膏 (すいぎんなんこう)
mercurial ointment

水銀の殺菌・殺虫作用を応用した軟膏で,古くから各期梅毒に使用されたが,現在は適用されず,ケジラミなどの皮膚寄生虫に対し皮膚,毛髪塗布する。ただし,ケジラミの成虫は死ぬが,その卵は死滅しないといわれている。刺激性が強く,また連用すれば中毒の危険があるため,現在ではほとんど使用されない。組成は,全量1000g中水銀330g,黄色酸化水銀微末5g,オレイン酸15g,精製ラノリン40g,白色軟膏610g。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水銀軟膏」の意味・わかりやすい解説

水銀軟膏
すいぎんなんこう
blue ointment; mercurial ointment

適量の水銀もしくは酸化水銀を軟膏にした多用薬剤。ケジラミの駆除に用いられる。梅毒の治療にも用いられたが,水銀中毒を起すことがあるので現在は使用されない。

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