ラノリン(読み)らのりん(英語表記)lanolin

翻訳|lanolin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラノリン」の意味・わかりやすい解説

ラノリン
らのりん
lanolin

ヒツジの毛に付着するろう状物質(羊毛脂)を精製したもの。化学的にはろうである。原毛(25%程度の羊毛脂含有)を希釈したアルカリ液またはせっけん液で洗って精練し、洗浄液に無機酸を添加すれば、羊毛脂が析出してくる。ラノリンはこはく色をした粘着性物質で、特有の臭(にお)いをもつ。ヨウ素価15~47。融点30~40℃。主成分セリルアルコールおよびオレイルアルコール脂肪酸エステルである。主要脂肪酸は他と異なり分枝鎖酸。非常に優れた乳化作用をもち、医薬品のよい基剤であり、化粧品にも使用される。

[福住一雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラノリン」の意味・わかりやすい解説

ラノリン
lanoline

羊毛脂ともいう。毛紡績の製造過程での副産物。原毛に付着している脂肪質分泌物を薄い石鹸水などで洗浄したあと,その洗液を遠心分離して精製する。精製品は淡黄色,軟膏様で,乳化性が強く,そのまま 80%程度の水を抱合しうる。成分高分子アルコール高級脂肪酸,高級オキシ酸のエステル混合物。用途製薬,化粧品,保革油など。

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