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江戸落語 えどらくご

知恵蔵の解説

江戸落語

落語の成立には諸説ある。室町・戦国時代に将軍や大名に世情や人の道をおもしろおかしく話す御伽衆(おとぎしゅう)の1人だった安楽庵策伝(あんらくあん・さくでん)和尚(1554〜1642)がまとめた『醒酔笑』(全8巻)に落語の落ち(サゲ=どんでん返し的な結末)に当たる部分が存在することからこれを落語の原型とし、1694(元禄7)年、浮世絵師・石川流宣(流舟)が自著『正直噺大鑑』に落語の定義を「1に落ち、2に弁舌、3が仕方(身振り手振り)」と記す。落語の成立を推察させる。「落語」と称するようになったのは明治初年で、それまでは落とし噺、軽口噺などと呼ばれた。現代のプロの噺家に近い鹿野武左衛門(江戸)、露の五郎兵衛(京)、米沢彦八(大坂)は1600年代に登場、各々の地の祖となった。第2次世界大戦以前にできた話を古典落語、それ以降に創作されたものを新作落語と大別する。三味線、笛、太鼓、鉦(かね)など鳴り物を用いた陽気な話をはめものといい、上方落語の特徴。演目数は江戸落語より上方落語の方が多い。明治以降、東京の落語家が大阪から持ち帰った。「らくだ」「三十石」「貧乏花見」(東京では「長屋の花見」)「素人浄瑠璃」(同「寝床」)などが代表的な上方ネタ。江戸独自のネタは遊郭(ゆうかく)を舞台にした「品川心中」「明烏」「三枚起請」「お直し」など。滑稽ばなしと人情ばなしに大別することもある。滑稽ばなしの代表は「粗忽長屋」「青菜」「試し酒」など。人情ばなしは「文七元結」「芝浜」「子別れ」など、江戸庶民の生活を描いたもの。

(太田博 演劇・演芸評論家 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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