沈潜(読み)チンセン

デジタル大辞泉 「沈潜」の意味・読み・例文・類語

ちん‐せん【沈潜】

[名](スル)
水底に沈み隠れること。
「さざ波一つ立たない日は、いかにもその底に…野武士霊魂が―していそうに思われるほど」〈犀星幼年時代
心を落ち着けて深く考えること。また、深く没入すること。「詩作沈潜する」
[類語](2沈思黙考静思黙想瞑想観照考え込む沈み込む

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精選版 日本国語大辞典 「沈潜」の意味・読み・例文・類語

ちん‐せん【沈潜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水の底近くに沈みかくれること。〔広益熟字典(1874)〕
  3. 心を落ち着けて深く思索すること。また、深く没入すること。
    1. [初出の実例]「然るほどに、読者も亦てふど心を以志を逆へ、沈潜反覆して細に玩索せずんば、中々得べきことに非れども」(出典:大学垂加先生講義(1679))
  4. 沈着で思慮深いこと。〔書経洪範

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普及版 字通 「沈潜」の読み・字形・画数・意味

【沈潜】ちんせん

心をひそめる。清・姚〔老子章義の序〕天下は一のみ。賢は大を(し)り、不賢は小をる。賢の性に、沈潛のり。行きて各其の樂しむを善しとす。

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