観照(読み)カンショウ

デジタル大辞泉 「観照」の意味・読み・例文・類語

かん‐しょう〔クワンセウ〕【観照】

[名](スル)
主観をまじえないで物事を冷静に観察して、意味を明らかに知ること。
「僕は単に存在するものをそのままの状態で―して」〈島木健作・続生活探求
美学で、対象の美を直接的に感じ取ること。美の直観
[類語]沈思黙考静思黙想瞑想沈潜

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精選版 日本国語大辞典 「観照」の意味・読み・例文・類語

かん‐しょうクヮンセウ【観照】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。真実の智慧を働かせて、個々事物やその理法を明らかに洞察すること。
    1. [初出の実例]「菩薩行門何非度生之助品。薩婆若海何非観照之光明」(出典異制庭訓往来(14C中))
    2. [その他の文献]〔般若心経略疏〕
  3. 転じて、主観をまじえないで、冷静に現実をみつめること。
    1. [初出の実例]「私はただ静かに自分自身の心を観照して」(出典:桐の花(1913)〈北原白秋〉感覚の小函)
  4. 美学で、美を直接的に認識すること。美意識の知的側面の作用を表わす概念
    1. [初出の実例]「すぐれた芸術家はその蜜の甘露にぢかに溺れちまはないで、おのづとそれを自分の強い観照で漉すのだな」(出典:竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生とその兄弟)

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普及版 字通 「観照」の読み・字形・画数・意味

【観照】かんしよう(くわんせう)

仏教で智慧を以て事理を照見するをいう。唐・李華〔衢州竜興寺故律師体公碑〕辨才に於て自在を得、義に於て解を得、人法に于(おい)て無我を得、照に于て甚深を得たり。

字通「観」の項目を見る

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