ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沈熏」の意味・わかりやすい解説
沈熏
しんくん
Sim Hun
[没]1936.9.16. ソウル
朝鮮の小説家。本名,大燮。号,海風。 1919年,第一高等普通学校在学中に三・一運動に参加,日本の警察に逮捕され服役。 1930年以後,長編小説『東方の愛人』 (1930) ,『永遠なるほほえみ』 (1933) ,『織女星』 (1934) ,詩『その日が来れば』 (1930) を発表。 1935年『東亜日報』創刊 15周年記念懸賞小説に長編『常緑樹 (サンノクス) 』が当選,代表作になった。作品は大衆的,啓蒙的で,特に『常緑樹』はロシアのブ・ナロード (人民のなかへ ) 運動をまねた,当時の農村運動,民族主義運動を反映したもので,イ・グァンス (李光洙)の『土』とともに朝鮮農村小説の傑作である。
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