ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
沈義謙
ちんぎけん
Sim Ǔigyǒm
[没]宣祖20(1587)
朝鮮,朝鮮王朝 (李朝) の政治家。慶尚北道青松郡出身。字は方叔。号は巽菴 (そんあん) 。明宗王妃仁順王后の弟。明宗 17 (1562) 年に文科に及第し,朝廷の要職を歴任した。宣祖8 (75) 年に新進士林の金孝元と対立し,東西の党に分裂して党争の端緒をつくるとともに,朝鮮王朝の朋党政治を始めることにもなった。沈義謙の一党は勲旧派で西人と呼ばれ,金孝元の一党は東人と呼ばれた。その後,李栗谷の調停にもかかわらず両党の政権争奪は熾烈に繰返された。しかし同 17年を境にして東人の天下となり,沈義謙は罷免された。
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