日本大百科全書(ニッポニカ) 「法の一般原則」の意味・わかりやすい解説
法の一般原則
ほうのいっぱんげんそく
国際司法裁判所は、付託される紛争を裁判するにあたり、条約で係争国が認めた規則、慣習法の規則に加えて、「文明国が認めた法の一般原則」を適用することができる。国際法は、条約や慣習によって創設される規則からなるが、それは国内法体系に比較すれば不完全であり、その結果裁判所に紛争が付託されても、適用可能な規則をみいだすことができないために、裁判を拒絶しなければならないことがおこりうる。そういう場合をできるだけ少なくするために、裁判所に対し法の一般原則を適用することが認められた。ここに法の一般原則とは、一般に国々の国内法秩序において認められ、国内法廷で適用されているような原則であり、国際裁判所は、必要に応じそれらの原則を補充的法源として適用することができるのである。
[皆川 洸]