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法源 ほうげんRechtsquelle; source of law

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

法源
ほうげん
Rechtsquelle; source of law

きわめて多義的に用いられている概念であるが,一般的にの存在形式を意味する。この意味では制定法判例法慣習法が法源であるが,さらに条理,学説,慣行などが法源となるかが争われている。現行法がどのような形式で存在するかということを確定することの実益は,裁判官の準拠しうる基準の限界を画することにあるから,法源を,裁判官が裁判を行う際の拠るべき基準となるものと定義する場合もあり,裁判官の準拠を義務づけるものを「制度上の法源」 (たとえば,制定法,慣習法) ,裁判官が事実上従っているものを「事実上の法源」 (たとえば判例,学説,条理など) と呼ぶ場合もある。以上のほかに,「法の妥当性の根拠」「法の歴史的認識のよりどころとなる資料」の意味で用いられることもある。

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デジタル大辞泉の解説

ほう‐げん〔ハフ‐〕【法源】

法の淵源(えんげん)。成文法慣習法などの法の存在形式、神意民意などの法の存在根拠、神・国家・君主人民などの法を制定する力など。一般には、裁判などの根拠となりうる法形式をさす。

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百科事典マイペディアの解説

法源【ほうげん】

法の根源。普通は法の表現形式または成立形式という意味で用いられ,制定法慣習法判例法等があげられる。裁判規範という意味では,前記3者のほか学説・条理等を含むかどうかの議論がある。
→関連項目ヘブライ法

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世界大百科事典 第2版の解説

ほうげん【法源】

狭義においては,裁判官が裁判において準拠しうる基準すなわち法の存在形式と解される。この意味での法源を論ずる実益は,実定法の究極的淵源をたどるのではなく,端的に法がどのような形式で存在するかを確定しそれによって裁判活動をコントロールし法的安定性と予測可能性を高めることにある。裁判官の裁判基準となりうる法としては,制定法,慣習法,判例法,自治的法規などがあげられる。これに対して,広義においては法源はこの意味のほかに,哲学的法源や歴史的法源の意味で用いられる。

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大辞林 第三版の解説

ほうげん【法源】

法の淵源。成文法・不文法などの法の存在形式、神意・民意などの法の妥当根拠、神・国家・君主などの法を制定する力、また、法資料などをいう。一般には、存在形式をいうことが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

法源
ほうげん
source of law

法や法的決定の根拠となりうる規範をさす。究極的法源として、神意や民族精神があげられることもあるが、通常は裁判や行政的決定の根拠となりうる法形式をいう。[長尾龍一]

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世界大百科事典内の法源の言及

【シャリーア】より

… シャリーアは神の命令の具体的体系的表現として絶対不変であるが,他方ではそれは人間が解釈したものとして歴史的であり,それが古典的な形で成立するまでには2世紀を要した。法解釈の方法論として,コーランを補うものとしてスンナイジュマー,キヤース(類推)が法源(ウスール)として確立したが,これらのいずれを重視し,どの範囲まで用いるかによって具体的解釈に違いが生じ,多くの学派が生まれた。今日では,ハナフィー派マーリク派シャーフィイー派ハンバル派の四法学派がいずれもスンナ派の公認学派として残っている。…

【成文法・不文法】より

…文字で書きあらわされ文書の形をとるものが法の存在形式=法源となるものを成文法という。これに対して不文法は法源のうち成文法以外のものをいう。…

※「法源」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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