常設国際司法裁判所(読み)ジョウセツコクサイシホウサイバンショ(英語表記)The Permanent Court of International Justice

デジタル大辞泉 「常設国際司法裁判所」の意味・読み・例文・類語

じょうせつ‐こくさいしほうさいばんしょ〔ジヤウセツコクサイシハフサイバンシヨ〕【常設国際司法裁判所】

国際連盟規約に基づいて、1921年オランダハーグ設立された国際裁判所国際連合が成立したのちは国際司法裁判所に受け継がれた。

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精選版 日本国語大辞典 「常設国際司法裁判所」の意味・読み・例文・類語

じょうせつ‐こくさいしほうさいばんしょジャウセツコクサイシハフサイバンショ【常設国際司法裁判所】

  1. 〘 名詞 〙 第一次世界大戦後、国際連盟規約第一四条に基づいて組織された最初の常設的な国際裁判所。一九二一年オランダのハーグに設立された。国際連盟総会理事会による選挙によって選ばれる一五名の裁判官で構成され、当事国が付託する一切の紛争審理に当たった。国際連合成立後はその主たる機関一つとして国際司法裁判所に受け継がれた。

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改訂新版 世界大百科事典 「常設国際司法裁判所」の意味・わかりやすい解説

常設国際司法裁判所 (じょうせつこくさいしほうさいばんしょ)
The Permanent Court of International Justice

PCIJとも略称される。第1次大戦後の1921年に国際連盟規約14条に基づきオランダのハーグに設置された国際司法機関。裁判所は国際連盟の総会と理事会で選挙された15名の裁判官で構成され(1936年の改正までは裁判官11名,予備裁判官4名),任期は9年。裁判所は,紛争当事国の同意を基礎として,付託されたすべての紛争に管轄権をもった。しかし一般的な裁判義務はなく,選択条項受諾国の間にのみ裁判義務が生じた。裁判基準としては,条約・国際慣習法の〈法の一般原則〉,補助手段として判例学説が適用され,当事国が合意する場合には〈衡平と善〉に基づく裁判ができた。判決は法的拘束力を有し,確定的で上訴を認めなかった。裁判所は,裁判のほかに,国際連盟の総会や理事会の諮問するすべての紛争や問題に関して勧告的意見を与える権能をもった。勧告的意見は法的拘束力を有しないが,実際上の権威をもった。裁判所の実質的存続期間(1921年からドイツ軍がオランダに侵入した1939年)中に66件が提起され,判決32,命令137,勧告的意見27が与えられた。大戦後は国際司法裁判所に引き継がれている。
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百科事典マイペディア 「常設国際司法裁判所」の意味・わかりやすい解説

常設国際司法裁判所【じょうせつこくさいしほうさいばんしょ】

第1次大戦後に初めて実現した常設的な国際裁判所。今日の国際司法裁判所の前身。1921年国際連盟によってハーグに設立されたが第2次大戦中に活動を停止し,1946年廃止。→国際司法裁判
→関連項目国際連盟ジュネーブ議定書常設仲裁裁判所

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「常設国際司法裁判所」の意味・わかりやすい解説

常設国際司法裁判所
じょうせつこくさいしほうさいばんしょ
Permanent Court of International Justice

略称 PCIJ。第1次世界大戦後創設された史上初の,1つの地域に限られない常設的な国際的司法機関。国際連盟規約第 14条に基づいてつくられた。連盟の非加盟国にも開放されていたが,アメリカは加入しなかった。常勤の裁判官をもつ史上最初の世界的な国際司法裁判所としてオランダのハーグに所在し,第2次世界大戦のために活動が中断されるまでに,23の判決と 27の勧告的意見を与え,国際法の発達に寄与した。第2次世界大戦後は国際司法裁判所に引継がれている。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「常設国際司法裁判所」の解説

常設国際司法裁判所(PCIJ)(じょうせつこくさいしほうさいばんしょ)
Permanent Court of International Justice

常設仲裁裁判所では不十分なため,第一次世界大戦後国際連盟によってハーグに設けられた常設的な国際司法機関(1921~46年)。15名の裁判官からなり,裁判のほか勧告意見を述べた。国際司法裁判所(ICJ)はその後身である。

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旺文社世界史事典 三訂版 「常設国際司法裁判所」の解説

常設国際司法裁判所
じょうせつこくさいしほうさいばんしょ
Permanent Court of International Justice

国家間の紛争を解決するために設けられた,国際連盟の司法機関
1920年,オランダのハーグで設立。15名の裁判官で構成されたが,厳格な裁判機関ではなく,当事国に対する拘束力はほとんどなかった。国際連合の国際司法裁判所は,この後身である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「常設国際司法裁判所」の意味・わかりやすい解説

常設国際司法裁判所
じょうせつこくさいしほうさいばんしょ

国際司法裁判所

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世界大百科事典(旧版)内の常設国際司法裁判所の言及

【国際裁判】より

…その後,常設的な裁判所の必要が認識され,1907年に仲裁司法裁判所の設立が企てられたが,裁判官選任方法につき各国の一致をみず,結局失敗に終わった。第1次大戦後,真に常設的な裁判所で,普遍的なものとして,常設国際司法裁判所(PCIJ)が設置され,第2次大戦後にこれを継承したのが国際司法裁判所(ICJ)である。このほか,特別の裁判所として,1907年に立案された国際捕獲審検所(捕獲),08年から10年間存続した中米司法裁判所,第1次大戦後の混合仲裁裁判所,第2次大戦後に戦争犯罪人処罰のために設けられた国際軍事裁判所および極東国際軍事裁判所があり,また48年のジェノサイド条約では国際刑事裁判所の設置が予定されているが,まだ実際には設けられていない。…

【国際司法裁判所】より

…国際紛争の司法的解決を任務とする国際裁判所。第1次大戦後に設置された常設国際司法裁判所の後身で,オランダのハーグにある。1945年設立。…

※「常設国際司法裁判所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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