法制局長官(読み)ほうせいきょくちょうかん

百科事典マイペディアの解説

法制局長官【ほうせいきょくちょうかん】

正式には内閣法制局長官内閣法制局の長。特別職の公務員。内閣によって任命され,内閣法制局の事務を統括する。国務大臣ではないので内閣法の主任大臣は内閣総理大臣である。内閣法制局は法律案,政令案,条約案の審査を所管する。これら各案は閣議で決定され国会に審議が付託されるが,閣議あるいは国会での審議における法令解釈についての質問・照会に答える必要性に対応するために,法制局長官は常時閣議に陪席が許される。認証官以外で閣議に常時陪席するのは法制局長官のみである(官僚トップとして内閣官房副長官が常時陪席するが,認証官である)。憲法を基幹とする法体系と各案件の法的整合性を厳しく審査する権限を持つという点で近代国家の基本である法的統治の要の役割を担っており,法治国家・立憲主義の原則を守り,時の内閣の意向に左右されない存在とし国政上重きをなす職務である。明治憲法下の法制局長官も同様で,帝国憲法施行と第1回帝国議会開会時の法制局長官に,伊藤博文らとともに大日本帝国憲法草案を起草し,内閣制度を創設した井上毅(こわし)が就任していることにもこの職務の重要性が示されている。第二次安倍内閣は解釈改憲による集団的自衛権の行使容認をすすめるために,行使容認論者の小松一郎を法制局長官に起用した。
→関連項目解釈改憲

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精選版 日本国語大辞典の解説

ほうせいきょく‐ちょうかん ハフセイチャウクヮン【法制局長官】

〘名〙 内閣法制局長官の略。内閣法制局の長。法制局の事務を統括する。内閣が任命。

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