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法段階説 ほうだんかいせつStufentheorie des Rechts

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

法段階説
ほうだんかいせつ
Stufentheorie des Rechts

実定法秩序憲法を頂点として法律,命令を経て,行政処分ないしは判決にいたる上位→下位規範という等級関係の階層構造をなしているとする説。 A.メルクルによって唱えられ,純粋法学で名高い H.ケルゼンによって完成され,20世紀の法学界に多大な影響を与えた。実定法秩序は,動的,静的という2つの視点から段階構造として認識されうる。動的 (創設と委任の関係) とは,下位規範が上位規範に基づいて創設される関係をさし,たとえば憲法に基づいて法律が創設され,判決は法律に基づいて下されることをいう。静的 (妥当根拠の関係) とは,下位規範は上位規範にその拘束力の根拠を求め,上位規範の妥当性は,さらにより上位の規範に基礎づけられることをさす。たとえば判決の拘束性は,法律に基づき,その法律の拘束性は憲法に基づく。憲法の拘束性=妥当性を基礎づけるのは,仮説として前提される根本規範である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

法段階説
ほうだんかいせつ

ハンス・ケルゼン、アドルフ・メルケルA. Merkelによって説かれた法秩序の構造に関する理論。法秩序は、上位規範が一定の枠内での適用・執行を下位規範に授権する段階的構造をもっており、頂点には根本規範が、底辺には具体的執行行為があるという説。[長尾龍一]

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世界大百科事典内の法段階説の言及

【純粋法学】より

…すなわち法は権限の分配を定めた〈授権の体系〉をなす。そして彼は,この〈授権の体系〉が,憲法は議会に立法権を授権し,法律は内閣に政令制定権を授権するというように上下のピラミッドをなすとし,法段階説を唱えた。(3)根本規範 このピラミッドたる授権の体系の頂点には根本規範が仮設されねばならない。…

※「法段階説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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