波切(読み)なきり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「波切」の意味・わかりやすい解説

波切
なきり

三重県志摩市大王(だいおう)町地区の中心地域。旧波切町。近世まで海の難所として知られた大王崎の基部にあって避難港でもあった漁港カツオを中心とする遠洋漁業のほか、アジ・ブリの定置網、エビ刺網、海女(あま)漁業が盛ん。9月に行われる「わらじ祭り」は海の奇祭として知られ、県の無形文化財に指定されている。地区の西端には登茂(とも)山公園がある。

[伊藤達雄]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「波切」の意味・わかりやすい解説

波切
なきり

三重県志摩半島南東端,志摩市の地区で旧町名。大王崎の基部にある漁業集落で,地名遠州灘熊野灘との境にあって荒波を切るように位置することに由来。港は志摩地方有数の漁港で,カツオを中心とする遠洋漁業の基地。周辺は海女漁業も行なわれる。波濤の砕ける大王崎灯台を背景に狭い坂道に漁家の密集する漁村風景は画材に好適で,画家や写真家の間に著名伊勢志摩国立公園に属する。

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世界大百科事典(旧版)内の波切の言及

【大王[町]】より

…町域の大部分が隆起海食台地で水田に乏しく,台地面は畑地あるいは林地である。波切(なきり)・船越地区に人口が集中する。基幹産業は水産業と農業で,波切,深谷の両漁港を中心に沿岸漁業が行われ,船越地区の英虞湾側では真珠養殖が盛ん。…

※「波切」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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