波山神社(読み)つくばさんじんじや

日本歴史地名大系 「波山神社」の解説

波山神社
つくばさんじんじや

[現在地名]筑波町筑波

筑波山の西峰(男体峰)と東峰(女体峰)を神体とし、祭神は筑波男大神(伊弉諾尊)と筑波女大神(伊弉冉尊)。西峰に男体なんたい祠、東峰に女体によたい祠、中腹拝殿などがある。旧県社。筑波山は古くから信仰され、「常陸国風土記」に

<資料は省略されています>

の話が伝えられ、また「それ筑波岳は、高く雲に秀で、最頂は西の峯崢しくく、雄の神と謂ひて登臨らしめず」とみえる。「日本紀略」弘仁一四年(八二三)一月二一日条に「常陸国従五位下筑波神為官社」とあり、その後の叙位によって男神は従三位、女神は従四位上となった(続日本後紀、文徳実録、三代実録)。「延喜式」神名帳の筑波郡の二座はいずれも筑波神で、「筑波山神社二座一名神大、一小」とあり、男神が名神大社、女神が小社。紀貫之は「古今集」仮名序で「つくば山にかけて」天皇の繁栄を願い、「ひろきおほめぐみのかげ、つくば山のふもとよりも、しげくおはしまして」と徳をたたえている。なお現石岡市の総社そうしや神社蔵の治承三年(一一七九)の常陸国総社造営注文案によれば筑波社は総社造営の一端を担っている。

筑波山は筑波山寺(中禅寺)の創建以来、修験霊場ともなり、神仏習合が行われていたが、常陸守護八田知家(小田氏の祖)は子の八郎為氏(明玄)に筑波国造の名跡を継がせて筑波別当とした(筑波氏系図)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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