泰州(読み)たいしゅう(英語表記)Tài zhōu

改訂新版 世界大百科事典 「泰州」の意味・わかりやすい解説

泰州 (たいしゅう)
Tài zhōu

中国,江蘇省中南部の市。人口61万(2000)。長江揚子江)北岸,揚州の東に位置する。長江北岸のデルタは南岸のデルタに比べ伸長が遅れ,漢代にはこの付近はようやく陸化したばかりであった。海岸の低湿地では製塩が行われ,前漢初期,呉王劉濞(りゆうび)(前215-前154)が開発を進め,運河を開いて灌漑も進めたという(運塩河,今の通揚運河前身)。同時にこの地に海陵県が置かれ,一時期廃されたものの,以後元代まで存在した。また晋が江南に渡り,長江北岸でもデルタの開発が進み,海陵以東の居住が進むとともに,海陵郡が置かれ,唐に呉州となり,五代の南唐のときに泰州と改められた。民国になって泰県となったが,解放後,中心部を市とし,県は東の姜堰鎮(きようえんちん)に置かれた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「泰州」の意味・わかりやすい解説

泰州
たいしゅう / タイチョウ

中国、江蘇(こうそ)省中部の地級市。里下河(りかが)平原の南縁に位置する。海陵(かいりょう)、高港(こうこう)、姜堰(きょうえん)の3市轄区のほか、興化(こうか)市など3県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口508万5100(2014)。市の南方を通揚(つうよう)運河、北方を新通揚運河が流れる。漢代に海陵県が置かれ、五代の南唐以後、泰州の治所となった。1949年、泰県より分離して泰州市が置かれた。淮南(わいなん)地区の水上交通の一中心地で、周囲の農村では米、綿花ジュートナタネアブラナ)の生産が多い。紡績冶金、食品、建材、製薬、機電などの工業が発達し、さらに、市の西郊に泰州医薬工業区が建設された。

[林 和生・編集部 2017年2月16日]

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