日本大百科全書(ニッポニカ) 「泰阜」の意味・わかりやすい解説
泰阜(村)
やすおか
長野県南部、下伊那郡(しもいなぐん)の村。天竜川左岸の伊那山地南端に位置し、全村丘陵状の山間地にある。天竜川に沿ってJR飯田(いいだ)線が通じ、門島(かどしま)駅があるが村の中心部まで歩いて1時間近くかかる。近世はヒノキ、モミなどの木材の産地、現在は米作のほか、コンニャク、リンゴ、ナシ、カキの栽培などを行う。天竜川、万古(まんご)川流域は天竜奥三河(みかわ)国定公園に属し、万古渓谷がある。8月20日南宮神社(なんぐうじんじゃ)では槫木踊(くれきおどり)が奉納される。江戸時代に年貢として屋根材の槫木を納めたことに由来するもの。面積64.59平方キロメートル、人口1542(2020)。
[小林寛義]