西洋の食器。食卓で用いる食器を英語ではカトラリーcutleryとテーブルウェアtablewareに大別し,後者をさらにフラットウェアflatwareとホローウェアhollowwareに分ける。カトラリーは刃物の総称で,この場合はナイフをさし,フラットウェアはスプーンやフォークを,ホローウェアは皿,ティーポットなどをいう。日本で一般に洋食器というときは,和食では用いない金属器であるナイフ,フォーク,スプーンをさすことが多い。なお,皿やカップを中心として絵柄やマークを統一した正餐用の食器の一そろいはディナーセットdinner setと呼ばれる。
日本においては金属洋食器といった場合,通産省の《工業統計表》では食卓用ナイフ,フォーク,スプーンとその他の洋食器がこれにあたる。しかし,業界団体である日本金属洋食器工業組合は食卓用ナイフ,フォーク,スプーンなどを対象とし,日本金属ハウスウェア工業組合は食卓用器物・器具類を対象としている。
日本の金属洋食器製造業の規模を《工業統計表》によってみると,出荷額が354億円,事業所数が445,従業者数が2705人となっている(1995)。つまり1事業所当り6人の従業者ということで,この業界には小規模企業が圧倒的に多い。地域的にみると新潟県が,食卓用ナイフ,フォーク,スプーンについては出荷額の約85%,その他の洋食器でも同じく出荷額の約70%を占めている。これは燕(つばめ)市に大正時代から金属洋食器の一大産地が形成されてきたからである。その点で金属洋食器製造業は典型的な地場産業であるといえる。
また金属洋食器(ナイフ,フォーク,スプーン)は輸出依存度が高く,そのため韓国,台湾などによって海外市場での追上げを受けるようになった。今後このような国際環境のなかで,金属洋食器業界としてどのような方向に進むかが重要な課題である。
執筆者:山崎 充
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…人口4万3589(1995)。全国の9割以上に及ぶ金属洋食器の生産によって有名である。中心市街は信濃川の分流である中ノ口川沿岸に位置し,江戸時代に長岡船道の河岸場として発展した。…
※「洋食器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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