洗心洞劄記(読み)せんしんどうさっき

改訂新版 世界大百科事典 「洗心洞劄記」の意味・わかりやすい解説

洗心洞劄記 (せんしんどうさっき)

陽明学者大塩中斎(平八郎)の主著。1833年(天保4)家塾板として出版し,35年に〈後自述〉と門人による跋文を加えて精義堂より再版した。上下2巻。洗心洞は中斎の私塾名,劄記はノートの意で,中斎自身の語録と中国儒者の言葉についての独自の解釈を示したもので,〈太虚に帰す〉と〈明体適用〉の思想を展開し,37年の大塩の乱の背景をうかがいうる。《日本思想大系》所収
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「洗心洞劄記」の意味・わかりやすい解説

洗心洞劄記
せんしんどうさつき

大塩平八郎の著。2巻。天保6(1835)年刊上巻 180条,下巻 139条。随想録であるが,宇宙万物の根源であり,同時に心の本体でもある太虚にいたる禁欲的な修養論が説かれている。重刊本巻末には,この書に対する当時の儒学者の批判を集めたものが「付録抄」として収められている。

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