日本大百科全書(ニッポニカ) 「洗浄剤」の意味・わかりやすい解説
洗浄剤
せんじょうざい
washing agent
物質の表面の汚れを清浄にする薬剤を一般に洗浄剤とよぶ。これには、酸やアルカリのような化学作用によるもの、またはクロロホルム(溶解作用)、軽石粉(機械作用)のように物理作用によるものと、界面活性作用によるものとに分けられる。化学作用によるものには、硫酸、塩酸、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが、また物理作用によるものには、灯油(ケロシン)、テトラクロロエチレン、ベントナイトなどがある。界面活性作用によるものには衣料用、台所用、住居用などの洗剤がある。前二者は比較的激しい化学作用や物理作用によって汚れをとるため、誤用すると危険であるという理由で、清浄剤という名称として、界面活性作用に基づく洗剤と区別したほうがよいと提唱する人がいる。
[早野茂夫]