テトラクロロエチレン(読み)てとらくろろえちれん(その他表記)tetrachloroethylene

デジタル大辞泉 「テトラクロロエチレン」の意味・読み・例文・類語

テトラクロロエチレン(tetrachloroethylene)

有機塩素溶剤の一種。無色の不燃性液体金属洗浄剤、脂肪樹脂ほかドライクリーニング用洗浄剤などに用いられる。パークロ。パークロロエチレン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テトラクロロエチレン」の意味・わかりやすい解説

テトラクロロエチレン
てとらくろろえちれん
tetrachloroethylene

エチレンCH2=CH2水素原子を塩素原子で置き換えた化合物。正しくはテトラクロロエテンというが、一般的にテトラクロロエチレンといわれている。エーテルに似たにおいの無色液体。工業的には、ペンタクロロエタンを高温で脱塩化水素するか、1,2-ジクロロエタン塩化エチレン)を高温でオキシ塩素化し副生するトリクロロエチレンと分けるか、C1~C3炭化水素を高温で塩素化し副生する四塩化炭素(テトラクロロメタン)と分けるかして製造する。水には溶けず、エタノール、エーテルに溶ける。ドライクリーニング溶剤、金属脱脂剤、一般溶媒、エタン系フロン合成原料として用いられているが、有害物質に指定され、厳しい法的規制が実施されているため、徐々に使われなくなっている。不燃性である。皮膚に対しても脱脂作用があり皮膚炎を招く。蒸気は有害である。

[谷利陸平]

『日本化学会編『化学防災指針2』(1991・丸善)』『廃棄物研究財団編、厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室監修『トリクロロエチレン等処理マニュアル』(1993・化学工業日報社)』


テトラクロロエチレン(データノート)
てとらくろろえちれんでーたのーと

テトラクロロエチレン

 分子式  C2Cl4
 式量   165.8
 融点   -22.18℃
 沸点   121.2℃
 比重   1.6230(測定温度20℃)
 屈折率  (n)1.50180

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テトラクロロエチレン」の意味・わかりやすい解説

テトラクロロエチレン
tetrachloroethylene

不燃性溶媒として,また溶剤として用いられる液体。化学式 Cl2C=CCl2 。沸点 121℃。パークレンと呼ばれるクリーニング溶剤はテトラクロロエチレンを主成分としている。エチレンの塩素化で合成されるテトラクロロエタン,ペンタクロロエタンの熱分解によって得られる。水には溶けないが,多くの有機溶媒とよく混る。ドライクリーニング用溶剤,金属,半導体,電子素子,精密機械の脱脂洗浄および乾燥に用いられるが,毒性があり,有害物質となっている。

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百科事典マイペディア 「テトラクロロエチレン」の意味・わかりやすい解説

テトラクロロエチレン

化学式はC2Cl4。エチレンの水素原子をすべて塩素で置換した化合物。無色の液体。融点−22℃,沸点121℃。ドライクリーニング,金属の洗浄などに用いられる。ペンタクロロエタンC2HCl5に水酸化カルシウムを作用させてつくる。有害物質。

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