津波に関する情報(読み)つなみにかんするじょうほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「津波に関する情報」の意味・わかりやすい解説

津波に関する情報
つなみにかんするじょうほう

気象庁が発表する、地震発生後の津波についてのさまざまな情報の総称。推定した地震の規模や位置に基づき、日本の沿岸で予想される津波の高さを求め、全国を66区域に分けた津波予報区に対して発表される。予想される津波の高さにより合計5区分で発表する大津波警報(3区分)、津波警報(1区分)、津波注意報(1区分)と、警報・注意報発表後に継続的に発表する津波情報(津波の到達予想時刻、予想される高さ、各地の満潮時刻、観測された津波の情報など)、津波による災害が起こるおそれがない場合に出される津波予報とがある。地震発生から最初の発表までの時間は、おおむね2分から3分程度を目標としている。ただし、地震の規模がマグニチュード8.0を超えるような巨大地震の場合は、その規模をすぐに正確に求めることができないため、該当海域における最大の想定をもとに津波の高さを「巨大」もしくは「高い」と発表し、その後、数値を出すことがある。

 大津波警報は、津波の高さが高いところで3メートルを超えることが予想される場合に発表され、5メートル(3メートルを超え5メートル以下)、10メートル(5メートルを超え10メートル以下)、10メートル超(10メートルを超える)の3区分がある。いずれも木造家屋が全壊、流出し、人が流れに巻き込まれる被害が想定されるため、沿岸部や川沿いにいる人に対し、ただちに高台避難ビルなどの安全な場所への避難が呼びかけられる。なお、大津波警報は2013年(平成25)8月30日より特別警報に位置づけられて運用されている。

 津波警報は、津波の高さが高いところで1メートルを超え3メートル以下と予想される場合に発表される。標高の低い場所が津波に襲われて浸水被害が発生し、人が流れに巻き込まれる被害が想定される。大津波警報と同様に避難が呼びかけられる。

 津波注意報は、津波の高さが高いところで0.2メートル以上1メートル以下と予想され、津波による災害のおそれがある場合に発表される。海のなかで人が速い流れに巻き込まれる、養殖いかだが流出する、小型船舶が転覆するなどの被害が想定される。海のなかにいる人に対し、ただちに海から上がり海岸から離れるように呼びかけられる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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