長野・群馬県境にある浅間山の南・北麓(ろく)に展開する高原。標高900~1500メートルほどの間に展開する浅間火山の噴出物が厚く堆積(たいせき)した土壌からなる。下方は緩やかな傾斜であるが、高くなるにしたがい成層火山特有の急傾斜地に移行する。南東から南麓にわたっては、1200メートル以下が高原状の緩傾地であるが、北麓の群馬県側は1400メートルの高位平原をなす。新しい火山噴出物の堆積地のため、農業的利用よりも、観光または別荘地としての価値が高い。なお、東西は山岳地で高原はない。高原の中心は南側で、雄大な景観と夏季の冷涼さ、それに火山地形などの自然資源を生かし、軽井沢を中心にした別荘地、白糸ノ滝、小瀬(こせ)、星野、塩壺(しおつぼ)温泉などの観光保養地があり、年間観光客は700万人以上に達する。北麓は北軽井沢とよばれ、鬼押出(おにおしだ)しや、浅間牧場などがある。高原の植物はカラマツ、アカマツが中心で、南麓は野鳥も多く、近世中山道(なかせんどう)の史跡も多い。
[小林寛義]
…中心集落の長野原は白砂川の谷口集落として発達した。吾妻川に沿ってJR吾妻線と国道145号線が走り,長野原駅は草津,万座,新鹿沢(しんかざわ)などの温泉や志賀高原,浅間高原へのバス交通の起点であったが,吾妻線の延長にともない,万座・鹿沢口駅と交通基地としての機能を分けあうようになった。浅間山麓の浅間高原は第2次大戦後,引揚者による開拓が行われ,現在は酪農やキャベツ,レタスなどの高原野菜を中心に大規模な機械化農業が展開されている。…
※「浅間高原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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