浦方(読み)ウラカタ

デジタル大辞泉 「浦方」の意味・読み・例文・類語

うら‐かた【浦方】

中世近世漁村のこと。また、その住民

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精選版 日本国語大辞典 「浦方」の意味・読み・例文・類語

うら‐かた【浦方】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代に用いられた、海べ、漁村の称。村方山方などに対応する語。
    1. [初出の実例]「浦方の者は、食するぞ」(出典:玉塵抄(1563)五)
    2. 「或る浦方を廻りて」(出典:随筆・耳嚢(1784‐1814)五)
  3. 海村の住民。
    1. [初出の実例]「浦方と能々相談有之候て」(出典:倉田家文書(1797‐98)破船改の事)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浦方」の意味・わかりやすい解説

浦方
うらかた

漁業専門の郷村とその住民。本来海辺地方の意。従来,漁業と農業を兼ねていた住民も,室町時代以降,商品経済発達とともに,漁業専門,農業専門に分れるようになった。そして,前者を浦方,後者在方と呼んで区別するようになった。

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世界大百科事典(旧版)内の浦方の言及

【浦・浜】より

…そこでは,荘園制的な浦の上級領有権が解消し,その下に潜在していた共同体的水面領有が村中総入会の形をとって純粋に現れ,神人・供御人などの特権的漁民身分も特定の場合を除いて消滅した。領国権力に対して水手役を負担するもののみが漁民身分として公認され,水手役を負担する浦浜のみが,浦方・浜方として村方・地方から区別されて漁業権を認定される近世的漁業制度が成立するのである。そしてこれ以降,近世漁業は,浦浜の世界を基盤としながらも,浦方と地方の漁業権相論,沖合漁業への進出,海産物の商品的加工・肥料化など全領国経済にかかわる問題として展開していくこととなる。…

※「浦方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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