日本大百科全書(ニッポニカ) 「海洋性気団」の意味・わかりやすい解説
海洋性気団
かいようせいきだん
海洋上で発現する気団。気団の下層が多湿となっているのが特徴である。発現地の緯度帯によって、寒冷多湿な海洋性寒帯気団(記号mP)、高温多湿な海洋性熱帯気団(mT)、上層まで高温多湿な海洋性赤道気団(mE)に分類される。日本付近の天候に関係ある海洋性気団としては、梅雨時や秋雨時の天候と関係しているオホーツク海気団(海洋性寒帯気団に属する)と、盛夏に日本付近を覆い蒸し暑い夏の気候を形成する小笠原(おがさわら)気団(海洋性熱帯気団に属する)があげられる。このほか、台風襲来時に海洋性赤道気団が現れるが、この気団は上層まで高温多湿で、豪雨をおこしやすい。
[饒村 曜]