海潮温泉(読み)うしおおんせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「海潮温泉」の意味・わかりやすい解説

海潮温泉
うしおおんせん

島根県東部、雲南(うんなん)市大東(だいとう)町中湯石(なかゆいし)にある温泉。斐伊(ひい)川の支流赤川沿いの山あいに湧(わ)く。『出雲国風土記(いずものくにふどき)』に「須我(すが)の小川の湯淵の村の川中に温泉あり」と記され、奈良時代に発見されたという。近世には藩主松平治郷(はるさと)の来遊をみている。大正期には隠岐(おき)からも毎年温泉講をつくって入湯したという。泉質無色透明な硫酸塩泉。赤川はホタルで有名。近くにある古代鉄歌謡館で神代神楽(かぐら)の定期公演が行われている。松江駅からバスが通じる。

[野本晃史]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海潮温泉」の意味・わかりやすい解説

海潮温泉
うしおおんせん

島根県東部,雲南市の斐伊川の支流赤川の渓流沿いに湧出する温泉。単純泉,硫酸塩泉で,泉温は 31~48℃。神経痛リウマチ痔疾効能があるといわれる。奈良時代の発見といわれる山間の静かな湯治場で,伝統芸能神代神楽 (じんだいかぐら) で知られる。付近にはゲンジボタルの生息地やカツラ巨木 (国の天然記念物) がある。

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