最新 地学事典 「消滅則」の解説
しょうめつそく
消滅則
extinction rule
単位格子の並進以外に並進を伴う対称の要素をもつ結晶のX線回折図形には規則的な回折線の消滅がみられ,この消滅の規則を消滅則という。消滅則には空間群の対称によるものと局部対称によるものがあり,通常,前者を単に消滅則といい,後者は超過消滅則と呼ぶ。空間群の対称による消滅則には,一般の回折線hklにみられるもの,hk0,h0lなどや逆格子平面のみにみられるもの,h00,0k0などある逆格子軸にのみみられるもの,の3種がある。面心格子ではhklにおいてnを整数とするときh+k=2n,k+l=2n,l+h=2nを満足する回折線のみが生じ,他は消滅する。体心格子ではh+k+l=2nの回折線のみを生じ,c底心格子ではh+k=2nの回折線のみを生ずる。(010)面に平行にaすべり面あるいはnすべり面が存在するときは,h0lにおいてそれぞれh=2nあるいはh+l=2nの回折線のみを生ずる。c軸に平行に21,42あるいは63,軸が存在する場合は,00lにおいてl=2nの回折線のみを生ずる。31,32,62あるいは64軸が存在する場合はl=3nのみ,41あるいは43軸が存在する場合はl=4nのみ,61あるいは65軸が存在する場合はl=6nのみを生ずる。消滅則を調べることにより,逆に結晶の対称性に関する知識が得られ,構造解析の重要な手がかりとなる。
執筆者:丸茂 文幸
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

