(読み)シュク

デジタル大辞泉 「淑」の意味・読み・例文・類語

しゅく【淑】[漢字項目]

常用漢字] [音]シュク(呉)(漢) [訓]しとやか
しとやか。よい。「淑女貞淑
よいと思い、慕う。「私淑
[名のり]きよきよし・すえ・すみ・とし・ひで・ふかし・よ・よし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「淑」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(異体字)
9画

[字音] シュク
[字訓] よい・しとやか

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は叔(しゆく)。叔に淑善の意がある。〔説文十一上に「く湛(す)むなり」とあり、水の清湛の意とするが、人の淑善の意に用いる。金文に淑善の淑を弔に作り、弔は(しやく)(いぐるみ)の象形。弔を淑善の意に用いるのは仮借。字はまた金文にに作り、ともに形声の字である。金文の「不弔」は〔詩〕にもそのままの字で用いられており、〔小雅、節南山〕「不弔昊天」を旧訓に「昊天(かうてん)に弔(あは)れまれず」とよむが、「不淑なる昊天」あるいは「昊天に淑(よ)しとせられず」とよみ、不幸の意。〔風、君子偕老〕は国君夫人の死を悼むもので、「子の不淑なる 云(ここ)に之れを如何せん」とはその不幸を嘆く意である。旧説に夫人の乱を刺(そし)る語とするのはよくない。不淑とは人の死をいう。金文に「不」の字を用いている。

[訓義]
1. すむ、水が清らかにすむ。
2. よい、しとやか、うつくしい。
3. 俶と通じ、はじめ。

[古辞書の訓]
名義抄〕淑 ウルハシ 〔字鏡集〕淑 キヨクタタフ・ウルハシ・ヨシ

[語系]
淑の初文弔tykはtjiakの象形字。金文に弔をの意に用い、淑zjiukはその形声の字。俶thjiukも声近く、〔説文〕八上に「俶は善なり」とし、俶を淑善の字と解している。

[熟語]
淑懿・淑郁淑胤淑婉淑媛・淑化・淑・淑気・淑姫・淑・淑均・淑訓淑景・淑好・淑姿・淑質淑湫・淑女・淑祥・淑心・淑真・淑慎淑人・淑性・淑清・淑静・淑節淑然・淑貞・淑哲・淑徳・淑・淑配淑美淑媚淑貌淑穆・淑名・淑茂・淑問淑誉・淑亮・淑類・淑霊・淑令淑儷
[下接語]
英淑・婉淑・淵淑・嘉淑・諧淑・閑淑・恵淑・慧淑・賢淑・私淑・柔淑・純淑・淳淑・順淑・清淑・貞淑・美淑・敏淑・不淑・明淑・令淑

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