淡路国分寺跡(読み)あわじこくぶんじあと

日本歴史地名大系 「淡路国分寺跡」の解説

淡路国分寺跡
あわじこくぶんじあと

[現在地名]三原町八木笶原国分

三原川の中流域右岸、標高約三八メートル前後の河岸段丘上にある。淡路国分寺塔跡として国の史跡に指定され、律宗護国山国分寺が法灯を伝えている。全国の国ごとに国分の僧寺と尼寺建立を命ずる詔は天平一三年(七四一)二月に発せられたが(「続日本紀」は天平一三年三月二四日とする)、諸国に国分寺が建立されるには相当の年月を要した。淡路国分寺も創建年は不明である。現国分寺付近には西方に国府推定地があり、淡路国二宮大和大国魂やまとおおくにたま神社や神本みわもと駅比定地にも近く、この辺りが淡路の政治・文化の中心であったと考えられる。またこの地の北方八木笶原新庄やぎやはらしんじようの稲荷神社付近には、国分尼寺があったとされているが、遺跡の規模については確認されていない。国分寺の創建年代は、寺跡から出土する古瓦には奈良時代中期のものが存しないので、奈良時代後期と推測されるが(「新修国分寺の研究」南海道篇)、天平勝宝八年(七五六)六月三日に国分寺建立の進行を急がせる詔が発せられており(続日本紀)、淡路国分寺もこれ以後の成立であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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